『ぼくのこわれないコンパス』について
11歳だったトモヤは、福島県の海沿いにある新地町で祖父母と一緒に暮らしていました。
2011年3月11日、マグニチュード9.0の大震災が日本を襲いました。大津波によってトモヤの家は倒壊し、トモヤは大切な祖父母を亡くしました。先が見えず不安な日々を過ごし、東京都内にある児童養護施設に自分の居場所をやっと見つけることができたのは、東日本大震災発生から1年半後のことでした。
震災から3年後の夏、トモヤは施設の子どもたちと一緒に、様々な背景を持つ児童の支援を目的としたサマーキャンプに参加します。トモヤのような子どもたちが過去に負った心の傷や葛藤を克服できるよう、NPO団体「みらいの森」はアウトドア活動プログラムを通して、これまで多くの児童の支援を行ってきました。
『ぼくのこわれないコンパス』は、児童養護施設で暮らす子どもたちを取り巻く現状を浮き彫りにするとともに、アウトドア活動への参加を通して、彼らが一度失った自信を取り戻し、生きることに希望を見いだす姿を映し出します。
この映画が伝えたいこと
この映画が焦点をあてるテーマは、複雑な家庭環境であったり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含む「こころの病気」であったり、突然の人生の変化への対応であったり、誰にでも起こりうることです。
児童養護施設で暮らす子どもたちが向きあう現実や、彼らが自分の可能性を信じられるようになっていく姿を、ありのままに映し出します。
子どもにとっても大人にとっても、非常に大切なテーマです。この映画を通して、子どもと大人どうしのつながり、そして対話を生み出すことが、私たちの心からの願いです。
残された課題
児童養護施設では、職員や関係者の献身的な尽力によって、子どもたちは居場所を見つけ、安心して生活することができます。しかし、以下のような問題を抱える子どもたちが多く存在するのも事実です。
過去に負った心の傷が癒されない
親としての役割を果たし、模範となるような人物が身近にいない
深刻な学業不振、それに対する十分な支援を受けられない
18歳になって施設を退所した後に必要なサポートが得られない
国際人権団体「Human Rights Watch」
2014年、国際人権団体「Human Rights Watch(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)」によって、日本全国の児童養護施設に関する調査が実施されました。
● 調査報告書: 『夢がもてない──日本における社会的養護下の子どもたち──』
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